英語を聞き流す
英語を「聞き流す」方法は間違いです。
こんにちは。小笹です。
多くの読者様から「希望が持てました!」といったメールをいただいております。こちらのテーマは、興味深い内容ですよ。
以下、高松先生からです。
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もし、教材やスクールでこんなことを言われたら注意してください!
英語を聞き流しているだけでいい。
学習しなくていい。
覚えなくてもいい。
テキストも辞書もいらない。
読まなくてもいい。
書かなくてもいい。
それでもいつの間にか英語がしゃべれるようになります。
そういう夢を見るのはご自由ですが、たいていの人はしゃべれるようになりません。
ところがこんな反論もあります。
「でも赤ちゃんって学習して言葉を覚えるわけじゃなく、母親の言葉をまねしているうちにしゃべれるようになったんじゃないか?単語や構文を暗記したわけでもないし。」
そうですよね?
母国語はたしかに暗記したり学習しなくてもしゃべれるようになります。
ではなぜ、母国語の場合は勝手にしゃべれるようになるのでしょうか?
それはこういうことです。
アメリカの言語教育の権威T.アンダーソン教授は、
大人と子供では言語習得の方法が180度異なると唱えています。
言語教育学上0~10歳時を「言語形成期」と呼び、
これは体験的に言語を習得する能力を持ち合わせた時期と言えます。
一方、10歳を過ぎると体験的に言語を習得する能力は徐々に失われていき、逆に“論理的”に言語を習得する能力が徐々に上回ります。
個人差はありますが、10歳(人によっては8歳くらい)ぐらいが
体験的習得と論理的習得の交差する年齢と言われています。
つまり、私たちが小さいとき日本語の会話を苦労せず自然に体得できたのは、
理由1: 0~10歳時の「言語形成期」に日本で育った。
理由2: 24時間日本語に触れることができたからなのです。
逆のケースを言えば昨今、
英語の授業が小学5年から始まることについて賛否両論あります。
反対派の意見は、日本語の言語形成期がまだ終わっていないときに、外国語を一緒に覚えさせてしまうと、日本語の習得に支障をきたすというものです。
しかし、これはナンセンスです!
なぜなら、小学5年生にもなれば(10歳を過ぎているので)、
もう言語形成期は終わっています。
たとえ終わっていなくても、日本語の習得には障害はありません。
むしろ、赤ちゃんのころから二言語で生活していれば、
二言語とも100%体験的習得ができるのです。
家庭では英語、外では日本語を使い、
おのおのを流暢に話す子供はたくさんいます。
では、言語形成期がとっくに過ぎてしまっている成人、
しかも1日中、日本語で生活していて、頭の中は基本的に日本語思考の人が毎日2時間だけ、英語に触れていると仮定します。
つまり24時間のうち22時間は日本語思考、2時間だけ英語思考という人は、外国語習得が長期にわたってしまわないか、危惧されるのではないでしょうか?
そんなことはありません!!よく考えてください。
赤ちゃんの言語学習方法は100%受身です。
つまり、積極的に単語を覚えたり、基本構文を暗記したり、
ヒアリングを練習したりしていますか?
していませんよね、100%受身ですね。
たしかに“覚えること”はすごく早いけれど、
それは前述のように言語形成期だからこそできるのです。
では、成人の場合は英語を短期間でマスターすることは
不可能なのでしょうか?
成人の場合は習得に時間がかかるというわけではありません。
理論学習をして、不必要なことに時間を費やさず、必要なものから優先的に学習したのちに練習すれば、短期間でも話せるようになるのです。
それには積極的に単語や基本構文も覚え、さらにトレーニングしていかなければなりません。
積極的に覚えるには、多少なりとも努力しなければいけません。
それでも英語がペラペラになったら、どういう楽しいことが待っているかを思い起こせば、それがやる気につながるはずです。
「とは言われても大丈夫かな?」と
弱気になっている人へ安心するひと言を・・・。
日常会話に不自由しないレベルの単語や基本構文は、そんなに多くはありません。
日本の中学で使う英語の教科書を、
アメリカ人はどう思っているかご存知ですか?
「日本の中学英語の教科書は、日常会話にはレベルが高すぎる」と、彼らは言っているのです。
日常会話に不自由しないレベルであれば、覚える量はたいしたことないのです。ご安心ください。
むしろ大切なのは練習(トレーニング)です。
覚えるというより練習なのです。
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